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BPSD(行動・心理症状)

BPSDは認知症の中心的な話題です

認知症にはいろいろな問題が伴いますが、ケアを中心に考えた時、BPSD(ビーピーエスディー)の概念がとても大切になります。

認知症の症状は、大まかに中核症状とBPSD(心理・行動症状)に分けられ、認知症の方のうちほぼ全ての方に何らかのBPSDが出現します。

そしてBPSDは周囲の環境・人の関わり方で、その出現を抑えられると考えられています。逆に、BPSDについてよく知っておくことは、認知症のより良いケアを行っていく上で非常に重要です。

BPSDの概要

先ほども述べたように、認知症の症状は、すべての人に見られる中核症状と、より個人差の大きいBPSDの分けられます。

ここでは簡単のため、認知症の中核症状以外の症状をBPSDと考えていただければと思います。

まだまだ、用語の整理・統一は不十分ですが、以下の認知症の症状はBPSDとされています。

  • 精神病症状
  • 幻覚
  • 誤認症候群
  • 夕暮れ症候群
  • アパシー
  • 焦燥
  • 攻撃性
  • 性的逸脱行為
  • 妄想
  • 抑うつ
  • 衝動性
  • 不安
  • 徘徊
  • 破局反応

分類

一般にBPSDは、次のように大きく二つに分けます。

より重要なのは心理症状です。心理症状が行動症状を引き起こす原因と成っていると考えられるためです。

行動症状

観察可能症状です。例えば

  • 攻撃的行動
  • 叫び声
  • 徘徊
  • 反社会的行動
  • 性的逸脱行為
  • つきまとい行為

など

心理症状

本人の感情や心理状況に見られる症状です。例えば

  • 不安
  • 抑うつ
  • 幻覚
  • 妄想

など

 

BPSDと認知症治療

一度進行してしまった、認知症の中核症状は治療が困難です。脳の神経細胞の不可逆的な変化によると考えられているためです。

一方で、BPSDは、それが出現するようになったとしても、周囲の環境や対応の方法によって、出現を抑え、改善することが可能です。

また、BPSDの治療を行うことで以下のようなことが回避できるとされています。

  1. 地域生活が早期に不能になる
  2. 医療費が増大する
  3. 介護者と本人のQOLが低下する
  4. 介護者の負担とストレスが増大する
  5. 本人の能力低下

本人にとっても、家族にとってもより良い生活を送っていくためには、BPSDを出現させないような関わり方を模索していくことが大切になります。そうしたことが、今後の認知症治療の中心となります。

BPSDに対する治療としては、薬物療法と非薬物療法に大別されます。

薬物療法

対象

  • 精神症状(幻覚・妄想・不安・焦燥)
  • うつ症状
  • アパシー
  • 睡眠障害
  • 行動障害(多動・興奮・暴力、徘徊、脱抑制)
  • せん妄

など多岐にわたります。

薬の例

ターゲットにする症状によって、使用する薬はもちろん異なります。

以下に、BPSDに対する薬物療法として、使用されることがある薬の例を紹介します。

  • コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)
  • 非定形抗精神病薬(リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、ペロスピロン)
  • 抑肝散
  • セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SSRI、SNRI)
  • 非ベンゾジアピン系薬(ゾルピテム、ゾピクロン)

非薬物療法

最近、認知症に対する効果が認められつつある「歩行」なども、非薬物療法に含まれます。

非薬物療法に関しては、非常に多岐にわたりエビデンスも現在蓄積中です。比較的、一般的だと思われるものをご紹介します。

  • 運動療法
  • 認知リハビリテーション
  • 現実見当識訓練法
  • 回想法
  • デイサービス・デイケア
  • 作業療法
  • 音楽療法
  • 光療法

BPSDで困ったら、専門家に相談を

BPSDを減らすために、望ましい関わり方は、個人個人で異なります。

まずは、専門家に相談してみることをお勧めします。

具体的な解決方法を提案してもらえると思います。

公開日:
最終更新日:2016/02/02