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安心して認知症のいまをいき、これからをいきるために

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認知症を予防するためにできること

一度進行した認知症は、一般的に「なおす」ことはできない、と言われています。

つまり、認知症を予防する方法がわかればその意義は非常に大きいことになります。

ところが、医学的根拠に基づいて認知症の予防に確実に効果が有ると示されているような予防法は現在のところ存在しないのです。

その一方で、有効と言われているものの多くは、副作用がないものがほとんどなため、医療関係者からは「やってみる価値はあるのでは」という形での提言がなされています。

つまり「効果がない」のではなく、「効果が有ることを示せていない」だけなものもあるから、とにかく良いと思うことをなんでもやってみたらいいじゃないという、ある意味非常に楽天的な提言となっています。

実は、この楽天的ということは、認知症というやまいと付き合っていく上で非常に大切な考え方でありますので、どうせやるのであれば、なるべく前向きに取り組んでいただければと思います。

日常生活(ライフスタイル)の見直し

日常生活と認知症のなりやすさとの間には、関係性が指摘されています。

これは、脳にストレスがどの程度かかる日常生活を送っているかということが関係しているのではないかという指摘です。

つまり、脳の過度なストレスを軽減するような生活を心がければ、認知症になりにくい生活を送ることができるという訳です。

運動

運動する人は、運動をしない人と比べて、認知症になる可能性が40%低くなることがわかっています。

かつての日本人と比較したときに、明らかな運動不足を指摘される昨今。

そうした点でいえば、認知症が増えている原因は何も高齢化によるものだけではないのかもしれません。

実は、ダンスや体操などの有酸素運動の有効性は、比較コントロール実験にて実証されている数少ない予防法です。

日常生活の中で簡単に始めることができる、ラジオ体操・テレビ体操などが良いと思います。

睡眠不足

オランダの研究で、睡眠時間が脳内のアミロイドβの量に影響することがわかってきました。

一晩の徹夜で、脳内のアミロイドβ量が高い状態になってしまうことが明らかになりました。

しかし、たくさん寝れば良いというものでもなく、その人が一番調子が良いと感じる量の睡眠をとることが大切です。

食生活の調整

認知症の進行の防止に特定の食べ物が効果があるのではないかと言われています。

その代表的なものが、地中海食、適量の飲酒、緑茶、ポリフェノールやクルクミンを含んだ食品をとることといわれています。

高血圧の防止

血圧が高いと認知症になりやすいと言われています。

一方で80歳を境に、それほど意識する必要はなくなるともいわれています。

若くして、血圧が高い方は意識をされた方が良いようです。

社会参加

認知症になりにくい人は、豊かな社会環境に生活しているといわれます。

社会参加、余暇活動、精神活動を楽しんでいる方は認知症になりにくいというのです。

定年退職された後も、自分のためにうまく時間を使えたり、地域での活動などに精力的に参加できるように、働き盛り世代からそういったことに対する感度を高くしておくこと、実際に取り組んでみることが大切といえます。

仕事や家庭一筋の人は、なかなか自分の生き方を変えるのは難しいと思いますが、良い人生のためにはとても大切と言われています。

特定機能に関する脳トレ

記憶の障害は、認知症の大きな特徴の一つであるあり、そこにアプローチをします。

エピソード記憶

どんなことがあったかを、順序立てて思い出し、言葉などにして表現ができるかどうかということが重要になります。

一週間以内の出来事を思い出して、週末に日記をつけるなどして、直近の出来事を思い出せる自分であり続けましょう。

注意の分配

いわゆる同時並行処理というやつです。

2つ以上のことがらに取り組むときはもちろんですが、とにかく情報処理をするときにどこに注目するのか、どこに対処するのかということにつながる能力です。

これは、たとえば、何かをしながら、次にやるべきことを考えたり、過去の出来事を思い出して、今後の動き方を修正したりするのに必要な能力です。

さらに、重要度や優先順位の分類や、比較・対照・整理など、問題解決(タスクの処理)には欠かせない能力であり、これができなくなると日常生活には非常に大きな混乱が生じることになります。

ですので、何か仕事をするまえに、あらかじめ予定を書き出してみたり、いくつか仕事に同時に取り組んでみるなどしてみると、注意の分配の訓練になるとおもいます。

企画・推測する能力

注意の分配のところでも触れたような、重要度や優先順位などに大きく関わる能力です。

目的を意識し、現状を把握し、その間のギャップを埋めるための方法を考える必要が有ります。

これを鍛えるためには、やり慣れたことではなく、新しいことに挑戦することが大切と言われています。

新しいことを文字情報として学ぶだけでなく、実際に取り組んでみて試行錯誤をするうちに、認知症予防に効果が出てくるとされています。

勉強をする

学校でしてきたような勉強です。

高学歴のひとは、認知症になりにくいという研究結果があります。

逆もしかりで、認知症になりやすい人は、低学歴だというのです。

一斉を風靡した、100ます計算や、漢字クイズなどに取り組むことには、効果がある可能性が示唆されます。

チェックテストを受ける

認知機能の低下の一部は、テストスケールと呼ばれる試験によって把握できます。

予防とは異なるかもしれませんが、このテストを普段から受けておくことによって、早期に病的な変化に気がつくことができます。

早期の発見は、健康余命の延長に効果的です。

その他

上で、高血圧が認知症のリスクになり得るとご紹介しましたが、2型糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム、喫煙などの血管に悪影響を及ぼすと考えられる要素に関しては、治療介入によるリスクの低下は示すことができなかったとのことです。

 

とにもかくにも、運動や食生活、社会参加を中心として、対象となる方がしっくりとくるものをいくつか組み合わせて取り組んでみるのが良いでしょう。

公開日:
最終更新日:2015/09/27