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【相談】離婚しようと思った矢先に、認知症になった夫。どうしたらいいか?

   

ネット上の記事で、認知症になった夫と離婚できるのかという相談をみつけました。

実際どうなのかを知らなかったので、調べてみました。

相談内容

結婚生活46年、自分勝手で好きなように生きてきた夫がアルコール依存症になり、回復したら離婚しようと思って入院させたところ認知症と診断されました。退院してきた夫を介護するしかないと覚悟を決めて迎えましたが、人の気持ちを思いやれず、「ありがとう」と決して言わない夫をどうすれば我慢できるでしょうか。(後略)

(大阪府 70代女性)

http://www.sankei.com/premium/news/150927/prm1509270023-n1.html

この相談に対する回答は、上記サイトで読んでいただけます。

内容としては、各種サービスを利用しながら、介護を継続してはどうかというモノでした。

で、離婚できるのか?

しかし、パートナーが認知症になってしまうと離婚ができるのかどうかが気になった方も多いはず。

ということで、調べてみました。

funaka

結論 軽度の認知症なら離婚も可能

互いが、書類に必要な事項を書き込んで役所に提出することで、円満に離婚が成立するのであれば、ですが。

上記が結論です。

補足 難しい認知症の離婚

問題なのは、相手が意思表示が困難であったり、強い拒否によって円満な離婚が見込めない場合です。

そいういう場合には、裁判所を介して問題を解決することになります。

その際、離婚の成立を認めてもらうためには、「法定離婚事由」というものが必要になるらしいです。

この法定離婚事由は、民法770条に規定されていて
1.不貞行為
2.悪意の遺棄
3.3年以上の生死の不明
4.回復の見込みのない強度の精神病
5.婚姻を継続しがたい重大な事由

の5つしかありません。

この中で、当てはまる可能性があるのは、4の「回復の見込みのない強度の精神病」です。

これについて、最高裁判所は

「今後の療養や生活について具体的な方策を講じ、ある程度の見込みがついた上でなければ強度の精神病を理由とする離婚は認められない」

としています。

これは、パートナーの面倒を誰が見るのかといった段取りを全て行うだけでなく、離婚成立後の生活の保障にまで責任を負うべきだということをこの判例は示しています。

つまり、事実上4は、離婚事由としては適用困難と言わざるをえません。面倒をみたくないから離婚を考えているのに、離婚後も面倒をみることが前提でなければ、離婚できないのであれば本末転倒ですよね。

となると、現実的な解決策としては「認知症以外の理由で」離婚するしかありません。

例えば、数年間継続しての別居などが認知症発症以前からみられるなどで、結婚生活が破綻していたとわかれば、たとえ認知症を発症した後でも離婚の成立が認められた事例が存在するそうです。

裁判よりもっと簡単な方法は?

あります。

調停離婚または離婚協議を行って、離婚を成立させる方法です。

上記で述べたように、離婚届を、軽度認知症のうちに書いてもらうのが、もっとも手っ取り早い方法です。

しかし、それが叶わない場合には、奥の手があるそうです。

それは、後見人の人に離婚を認めてもらうこと。後見人とは、認知症が進行してから法律行為を代行する人です。

この人に離婚を認めてもらえれば、離婚が成立することになります。

まとめ

認知症のパートナーと離婚するには

1 認知症が軽度のうちに、協議離婚

2 後見人に離婚を認めてもらう

の2つのいずれかの過程を経ることになります。

願わくば、健やかなる時も辞める時も…

離婚は、最終手段ですが、悲しいことに「離婚やむなし」と言わざるをえないような、壮絶な過程を経てこられたご夫婦もおられます。

願わくば、最後の時まで、仲良く一緒に生活を営めるように、健康な時からお互いをいたわりながら生活したいものです。

もしも、いま、そうでないなら、悔い改めておくのが良さそうです。

 - コラム

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