認知症com

安心して認知症のいまをいき、これからをいきるために

*

認知症のケアでよくあるケガについて

   

認知症の方をケアする時に、自他共に、時々事故でケガすることがありました。

これらは、ケアする側に配慮が不足していることや、その人へのアセスメントが不足していることによるものだと思います。

じぶんの経験を振り返って、気になっていたものから傾向と対策を書いて見たいと思います。

1引っかき傷

カユいと掻きます。

抑制が効かないと、血だらけになることがあります。

びっくりして、ケアする人をひっかくこともあります。

意図してだったり反射的だったりすることもありますね。

 

擦過傷のリスクが懸念される人には、こういうグッズを使うことがあります。

リスクとしては、手指の屈曲拘縮を引き起こすことや、手の保清などが必要になることです。

それから、病院などでの医師の指示なく行うことはできません。

2骨折

転倒したり、ケア時にきちんと支えることができないと折れます。

ケア時の骨折は、自分が直接見たわけではなく伝聞なので、本当かどうかはわかりません。

正直虐待との線引きは難しいですね。

骨折リスクの軽減のために、こんなグッズを使うことがあります。

車椅子乗車時に、短時間だけ使うことが許される場合があります。

食事時間が延びたりすると、本当は外さないといけない時間以上の時間使用されることも、いろんな施設であるのかも知れません。

こちらもリスクとしては、心理状態を悪化させ、認知症のBPSDを悪化させる恐れがあること、及び、関節拘縮や耐久性の低下などの身体機能面の低下などが懸念されます。

同じく、医師の指示なく行うことはできません。

そういう施設があれば、内部告発するべきですが、内部告発しても誰も喜ばないので、されることは少ないでしょう。

家族さえ、告発しない、そんな世の中かも知れません。

3褥瘡(じょくそう)

アルツハイマー型など進行性の認知症の方の場合、体位変換が定時に必要になる状態がいつかやってきます。

その時に、十分なマンパワー不足などでケアが行き届かないと、褥瘡が発生します。

上記のような行動を制限するようなグッズを使ったりすると、活動性が低下し寝たきりに早期に移行すると考えられています。

褥瘡予防のためには、こうしたグッズが使われることが一般的です。

正しい知識で、正しい使い方ができることが求められるので、プロでも難しいですね。

生兵法は大怪我の元ですので、講習会や専門書に加えて、経験豊富な臨床家の適切な助言が必要になります。

4拘縮(こうしゅく)

上記のグッズが正しく使えないことによって、拘縮が促進します。

また、ROM訓練によって改善するエビデンスがありますが、短時間しか行えない場合には改善は難しいでしょう。

ですので、拘縮が発生しないようにケアを注意深く行う必要があります。

きちんとしたアセスメントを基にして、その人にとってどのようなケアが適切なのかをきちんと判断しないと、すぐに拘縮が進みます。

また、骨折などによって、使用頻度の低下した関節は、高齢者の場合すぐに拘縮することが多いです。

骨折をしないこと、また、骨折した後にしっかりと動かしていくなどのリハビリテーションをどの程度の密度で行えるかが重要になります。

一般の精神科病院では、骨折に特化したリハビリテーションを実施するのは、マンパワー的に厳しいかもしれません。

5噛みつき傷

食事介助の時に、というわけではなく、怒ってしまって、介護者の腕に噛み付くなどの行為が見られることがあります。

自傷のリスクは、引っかき傷よりも低く、非人道的と考えられるためか、口腔の動きを制限するグッズの使用に出くわしたことはありませんでした。

それから、衣類やシーツを噛みちぎることもあります。

この点については、うまく対応することができませんでした。

次々に新しい、シーツや衣類を投入することによって対応していたように思います。

6誤嚥

飲み込む力や、咀嚼する能力が低下していると、食べ物が気管に入ります。

誤嚥です。

肺炎のリスクがあります。

窒息すれば、命に即、関わります。

吸引して対応していました。

 

まとめ

ケガについての根本的な防止策は、多くの人がしっかりと対象者の方に関わる時間がどれだけ作れるかということにかかっています。

しかし、医療費の増大などによって人数を増やすことはできないと言われています。

また、症状が進行すると対処療法的な対応を取る専門期間もあり、対象者の方の心理面に十分な配慮がないようなケアを行うことがないわけでもありません。

一番大切なのは、いろいろな道具を極力必要としないようなケアが、心身ともにできることにあるのは間違いありません。

そこのところが、実現できないのだとしたら、それはなぜなのかを分析してみて、そういう現状に諦めずに立ち向かっていくのか、すっぱりとあきらめて別の仕事に就くのか、そうした仕事に関わる人には態度を明確にする道義的な責任があるのではないのでしょうか?

現場を把握していない管理責任者、上の人間ばかり見て顧客を見れない現場、そんな状況があるとしたら、認知症のケア施設は単なる隔離施設になってしまう恐れさえあります。

兎にも角にも、一番大切なのは、施設利用者の方々が支払うコストに見合ったサービスをしっかりと受けられることだと思います。

専門職は、そのことをしっかりと心において仕事をすると同時に、家族もおかしいと思ったらしっかりと声を上げるべきです。

直接施設に話を持っていくのが憚られるのであれば、保健監査を行っている行政機関に情報を提供するのも悪くないかと思います。

でもまあ、認知症の方のケガに関する問題というのは、本当に難しいと思います。

 

 - コラム

adsense336

adsense336

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

敬老の日の銀盃が銀メッキ杯へ

100歳万歳なのですが、そのお祝いムードに影を落としそうな話題です。 なんとも悲 …

no image
認知症の人が街中で普通にいる世の中がきっとくる。

タイトルまま。 お疲れさまです。 認知症の人が、街中で徘徊する世の中です。 どう …

no image
生活の質(QOL)の密度という考え方

生活の質という概念は、結構一般的ですが、その密度のようなものについては、あまり論 …

誰かと会うこと、どこかにでかけることが認知症の進行を食い止める

仕事を辞めると認知症が一気に進行するという話を耳にします。 それは、脳を使う機会 …

no image
認知症の早期発見は果たしてナンセンスか

当サイトでも、認知症の早期発見は非常に大切だと、各所で述べさせていただいておりま …

認知症の方に出会わない日常は、偏っているかもしれないです。

2025年には700万人を超えると言われる認知症の方の数。(割と少なめの見積もり …

認知症が、絶望的なのは、自己完結な価値観が根底にあるからではないか。

別に認知症に限らず、癌や様々な難病を患った時に、何を希望として生きていけばよいの …

no image
相手が違和感を感じないコミュニケーションが基本

認知症の方のBPSDを軽減する関わりには、相手に合わせることが必要です。 つまり …

no image
日本で子供を作るのは罪だと思う – はてな匿名ダイアリー を読んでなんて的外れな意見だろうと思う。

http://anond.hatelabo.jp/20160927071136 …

スマホやネットで10代の人も認知症に?恐るべき、”デジタル認知症”の実態とは?

「認知症になるのは、おじいちゃんおばあちゃんだけでしょ?」 「二十代の自分には関 …