認知症治療薬開発断念!困難さと最新情報
なぜ人は、認知症になるのか。
特に、アルツハイマー型認知症に関して、なぜそうなるのか。
実は、いまだに人はなぜ認知症になるのかははっきりと確定しておらず、仮説の域を出ていません。
大いに驚かれるかもしれませんがそれが現実です。
何もわからないわけではないけれども、肝心の根本的な病気の仕組みが確定できていないのです。
ですから、推論や仮説に頼っての治療を行うことになります。
複数ある仮説の中で、現在最も影響力を持っている仮説がアミロイドβ仮説です。
このアミロイドβの沈着がアルツハイマーの原因であると考える説です。
一応、仮説を指示するような事実はいくつか報告されています。アミロイドβが蓄積する遺伝子を持っている家系の人は若年性アルツハイマー型認知症になりやすかったり、トリソミー21(いわゆるダウン症)の人たちが、アミロイドβ異常を引き起こしやすく実際年をとってからは、認知症様の症状を発祥しやすいといわれています。
そこで、アミロイドβを標的とした認知症の治療薬の開発が進められてきましたが、これがどれもうまくいっていなくて中断のあらしとなっています。
大手の製薬会社が相次いで、認知症治療薬開発からの撤退を決めています。
思うように成果が上がらず、商品化のめどがまったくたたないからです。
相次ぐ失敗に、現場の医師が、アミロイドβ仮説は実のところ間違っているのではないか、そう意見表明しています。
現状、認知症の根本的な治療薬の開発は光の見えない袋小路に入り込んでしまっているといっても過言ではありません。
認知症の情報も、今現在、どうやら正しそうといわれている事柄に関しても実際それが正しいかどうかを確定的に話ができるひとは一人もいません。
これが、現在のアルツハイマー型認知症という病気を取り巻く実際です。
今後しばらく、アルツハイマー型認知症の根本的な治療薬というものは登場しそうにないというのが、現時点での最新情報です。
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